
先月、パリに住むいとこから、e-mailが来た。ミサに列席して来たとのことで、ノートルダム寺院の写真が添付されていた。ステンドグラスから差す光、祈る人々の姿は、写真からもその荘厳な様子が伝わってくる。ミサはラテン語で行われていたそうで、パイプオルガンの即興曲も素晴らしかったという。
いとこはクリスチャン(chrétien)で、小さい頃にラテン語で暗記した (apprendre la messe par cœur)祈りや歌が聞こえてきて、とても懐かしい気分になったそうだ。
日本では全く報道されていないが、先日フランスで全国民に絶対的に尊敬されていたL'abbé Pierre(ピエール神父)が亡くなった。50年ほど前、戦争の後、フランスにも家のない貧しい人々が道にあふれ、子供達が次々に死んでいく時代があった。
「この子達の身体にもあなたがたの子供と同じように血が流れているのです。」心を痛めたピエール神父はラジオで熱く、フランス国民に訴えた。とても心に響くスピーチだったそうだ。その結果、今のお金で80億ユーロもの援助が集まった。
EMAÜSという組織を作り、そのお金を元に、貧しい人達のためにたくさんのアパートを建てた。多くの人達を助けるためには、政治も変える必要もあると、実際に国会議員(député)
にもなったほどだ。色々なシステムを変えようと東奔西走するが、政治家達が自分たちの利益のためにのみ動いていることに嫌気がさし、辞職した。(démissionner)
とにかく行動する人で、カメラの前ではいつも顔を真っ赤にして、人々に訴えていたという。
国民からの信頼度も抜群で、
la personne préférée(国民の好感度アンケート1位)にも17回選ばれた。(ピエール神父自身がもう選ばないでくれ、と断ったため、それからはサッカーのジダン選手などが選ばれるようになったとか・・・)
94歳で亡くなられたが、悔いのない人生だったのではないだろうか。
遺言により、葬式は親族だけの質素なものだった。ただ余りにも偉大な人だったために、何か式典が必要だったので、既に葬式は済ませていたがノートルダム寺院で大統領他著名人が集まり、ピエール神父を偲んだ。ニュースで報じられていたのは、生前の思いとは裏腹にかなり盛大な式だったが・・・。
葬式を英語では、funeralというが、フランス語で
funéraillesというと、かなり有名な人の葬式に限られる。大統領や今回のピエール神父等の場合だ。一般の人の葬式には、
entrerrementが使われる。
L'abbé Pierreのことを知ることが出来て本当に良かったと思う。自分の損得のためでなく、人々の幸せのために一生を捧げたピエール神父、ただただ頭の下がる思いである。ピエール神父の創設したEMAÜSという団体は、今ではとても大きくなって、彼が亡くなった後も世界中の困っている人達のために活動し続けている。
ピエール神父のこともEMAÜSという組織のことも、今回初めて知ったので、世界は広いなと改めて感じる。フランス語を勉強をしていなければ、ずっと知らなかったかもしれない。
日本のニュースだけでは、世界で起こっていることのほんの一部のことしか分からない。アメリカのCNNだけでも不十分、やはりヨーロッパのニュースにも触れなければと痛感する今日この頃である。
posted by マドモアゼル at 12:12|
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